差別なき平和のハーモニーが奏でられる島【英領モントセラト】観光情報

「Abony And Ivory」

1980年代にポール・マッカトニーとスティービー・ワンダーがデュエットし、アメリカのビルボードやイギリスの売り上げランキング等で、何度も1位を獲得した曲だ。

2010年ポール・マッカトニーがアメリカで音楽賞を受賞した時に、オバマ元大統領とホワイトハウスでセッションしたことでも有名だ。この曲は人種問題をAbony(ピアノの黒銀盤)Ivory(ピアノの白銀盤)に例え、差別反対を訴えた曲だ。

 

では、この曲がどこで作られたか?それが今からご紹介する「英領モントセラト」だ。

もちろん私は最初からそれを知っていた訳ではない。たまたまモンセラットへ行く機会を頂き、入念な予習の過程で知ることになったのだ。

そして、なぜこの曲がモントセラトで作られたか?

それはビートルズのプロデューサーとして有名なジョージ・マーティンのスタジオがここにあったからだ。Abony And Ivoryは彼のプロデュースだ。

 

目次

この記事の内容は

①英領モントセラトについて

②モンセラット島内観光へ

③まとめと感想

※この情報は2016年4月のものです。


①英領モントセラトについて


カリブ海の小アンティル諸島に属し、イギリスの海外領土。

スペインに詳しい人はこの地名を聞いて、モンセラート修道院を思い浮かべると思うのだが、修道院の周りにあるギザギザのノコギリ山のことをモンセラートと言い、この島にも同じように切り立ったノコギリ山があったため、コロンブスがこの名を付けた。

この島の通貨は「東カリブドル」この通貨はカリブ海8つの島で使われる共通の通貨である。世界中には様々な種類の通貨が名あるが、その中でたまに強烈に惹かれる通貨がある。東カリブドルもその一つだ。何だか強そうなその通貨名にワクワクする♪


私はアンティグア・バーブーダの航空会社である「リアット航空」で飛んだのだが、モントセラトは航空路線が就航しているカリブ海の島の中では、一番観光客が来ないのではないだろか?それはスーフリエールという活火山の影響だ。これまで幾度となく噴火を繰り返しているのだが、特に1997年の大噴火の被害は甚大だった。

 

当時、島の南西部にあった首都プリマスには大量の火山灰が降下し、全てを放棄しないといけない状況に。もちろんも空港も火山灰に埋もれてしまった。現在も火山活動は続いており、山頂には噴煙も見える。火山が位置する島のほぼ半分から下は立ち制限区域。12,000人ほどいた島の人口も、避難や移住で半分以下に減ってしまった。

 


②モンセラット島内観光へ


何せ情報がなかなかないので、観光予約などをしないまま空港に到着。タクシーがいるか不安だったが、待機タクシーに声をかけられ、島内観光をお願いした。ドライバーは島の隅から隅まで見せようと張り切っている。次回のために、空港にあった案内板をパシャリ。

 

まずは、火山灰の影響でゴーストタウン化した町へ。

 

大量に降った火山灰のせいで建物の1F部が火山灰で埋まっている。

高台にあり、かろうじて原形を留めている家の中を見る事ができたのだが、大変な惨状を目の当たりにし、言葉を失うほどの状況だ。渡航の最中(2016年4月)に熊本で起きた地震のことが頭をよぎる。

モンセラットに入る3日前に地震が起きたので、リアルな恐怖がこみ上げ、写真を撮ることが出来なかった。写真はその家から撮った風景のみ。

 

前に日本人女性が働いていたという火山観測所へ。

通常なら見学ができるが、この日がお休みだったため、展望台から火山を。山頂は雲に覆われ見えにくいが、噴煙は上がっていた。

 

 

「Hill Top」という、とても感じの良いカフェレストランへ。

店内では美味しいコーヒーや手作りスイーツを頂きながら、1970~80年代の洋楽が楽しめる。宿泊も可能。

オーナーも火山の研究者で、火山についての説明を聞いたり、DVDや写真などを見ることも出来た。

カフェのオーナー夫妻は熊本・大分で起きた地震だけでなく、阿蘇山のことも詳しく知っていて、私が九州出身だと知ると、他人事ではないと凄く心配してくれた。

 

9歳と11歳の少年たちも一緒に話を聞いていたのだが、私の悲しい気を紛らわそうとしてなのか、ただ遊び相手が欲しいだけなのか、9歳の少年はカリブの海のようなブルーの瞳で見つめ、しきりにチェスに誘う。10歳の少年は「元気?大丈夫?」と言って何度も握手をしてくれる。オーナー夫妻の温かい心と子供たちの無邪気さに少し気が紛れた。

 

ランチはこの島の特徴である風光明媚な断崖絶壁が見えるエリアへ。

一応、その辺りは港になっているので、多少リゾート風に開発されており新しくオシャレなレストランが数件あるのだが、また休み。観光客とは誰一人会わない。。。

 

仕方がないので、ドライバーがいつも行くという、断崖絶壁の地形を利用した海賊の隠れ家のようなレストランに行った。岩と岩の間の洞窟のような空間に椅子やテーブルが置いてあり、その先が断崖に突き出たバルコニーになっている。

ただランチの種類は選べるものではなく、チキンのグリルやハンバーガーなど2種類くらいしかなかった。でも味付けも良く、典型的なカリブ海の男という雰囲気のオーナーも凄く感じが良かった。

 

そして眺めもよい。

 

モンセラットで忘れてはならないのは、5人目のビートルズと言われた

「ジョージ・マーティン」の「エアー・スタジオ・モンセラット」

 

そしてファンなら知っているかもしれないが、布袋寅泰と吉川晃司のユニットCOMPLEXのファーストアルバムもここで収録された。その数か月後、1989年9月のハリケーンでスタジオは壊滅的な被害を受け、閉鎖。荒れ果ててはいるが、今もそのスタジオは当時のまま残っている。

 

スタジオの門を入ってすぐ。かなり広い敷地だ。

 

ハリケーンの影響で廃墟同然。危ないので、建物内部には入れない。

 


③まとめと感想


モンセラット、カリブ海の島の中では一番カリブらしいのではないだろうか?

確かに相次ぐ噴火のせいで、島の産業はなかなか発達しにくい。今後、観光業が発達するとも思えない。

 

上空から見てもカリブ海の美しい海!とテンションが上がるわけでもなく

 

クルーズ船が寄港すると開発されたリゾートエリアもこんな感じ。。。

 

だからこそ、ここはいつまでもカリブ海らしい独特の空気が保たれているような気がする。白砂やピンク色をしたビーチがカリブ海の特徴と言われるが、モンセラットは火山灰のせいでビーチは灰色だ。

最初はそれが美しいとは感じなかったのだが、灰色のビーチもなかなか個性的で良いのではないか・・・とこの島を離れる頃にはそう感じた。カリブ海の島々では一番戻って来たい島と言えるだろう。

灰色の部分は火山灰が固まって陸地になっている。

 

テレビやネットニュースでは、連日信じられないような事件で溢れ返っている。最近でもアメリカで白人警官が黒人を殺したと問題になり、大暴動も起きている。日本では殺人、虐待、薬物、海外ではテロ、内戦、人身売買など、心が痛むニュースばかりだ。Covid19は世界中で猛威を振るい、人々を恐怖に陥れ、経済も悪化。

 

2016年3月9日、ジョージ・マーティンは享年90歳でこの世を旅立った。その翌月、モンセラットを訪れた。特にビートルズなどのファンと言う訳ではなかったが、色々な思いが込められて曲が作られた場所を訪れることができ、本当によかったと思う。最後に歌詞の一部を貼っておく。

 

Ebony and ivory ~黒と白~

Live together in perfect harmony

 ~理想通りの調和の中で、ともに生きよう~

Side by side on my piano keyboard 

~僕のピアノのキーボードのように、隣同士並んで~

Oh lord,why don’t we 

~おお、神よ、私たちはなぜそうしないのか・・・~

 

スティービーワンダーとポールマッカトニーがホワイトハウスで歌っている動画、感動した。

 

 

 

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