インド人ガイドが語る歴史@クウェート

2016.12.9✍️西日本新聞夕刊コラム📰珍国に恋して💕より

 

ペルシャ湾の北西に位置するクウェート。石油のおかげで国はとても 豊かだ。日本からはカタールなどで乗 り継ぎ、15時間ほどかかる。 人口428万人のうち、クウェート人 は131万人しかいない。

クウェート人 は国家公務員や国営企業の仕事に従事 し、裕福な生活を送る。一方、サービ ス業など他の仕事は、近隣諸国からの 出稼ぎ労働者が担う。クウェート人が 医療費などが無料なのに対し、外国人 は有料という。

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私が訪れた2009年、現地のガイド はインド人だった。こうした格差につ いて尋ねると、彼は「この国が自分た ちを受け入れてくれるおかげで、自分もインドにいる家族も生活できる」と 答えた。「イスラム教国であるにもか かわらずヒンズー教の信仰も認められ ていて、ありがたい」。(↑写真の彼)

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全ての外国人がそう感じているとは言い難いが、ど んな現実でも受け入れようとする彼の 心に胸が詰まった。

市内観光では、イラクのクウェート 侵攻(1990年)時、砲撃を受けた「ア ルクレインハウス」や、貯水塔の役割 も果たしているクウェートタワーを訪 れた。インド人がクウェートの歴史や 戦争について懸命に語る姿は興味深 かった。湾岸戦争から25年。世界は さらに混迷を深めている。世界の人々 が互いを認め合う日は来るのだろうか。

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クウェート軍の隠れ家だったアルクレインハウス。31人いた兵士のほとんどは、 イラク軍による砲撃で亡くなったという。

 

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