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世界で3番目に小さな国で飽きずに過ごす方法【ナウル共和国-Nauru】
- 2020/5/25
- ナウル・観光編-Nauru, 大平洋州-Pacific Ocean
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「ナウルに行って来てください。飛行機は週に1回しか飛ばないので滞在は6日間ですよ」
長年”珍国の女王”をやっていると、ちょっとやそっとじゃ珍国の陛下の無茶ぶりには以前のように驚かなくなっていたが、この時はさすがに驚いた。
「あのナウルに6日間もですか!?」
ナウルには以前にも一度行ったことがあった。でもその時はたったの2泊。それが6日間とは・・・「世界で3番目に小さい国ナウル」で何をして過ごすかを冷静に考えてみたが、思い浮かばなかった。
南の島とは言えど、リゾート感は皆無。陛下に言わせると「釣り」が楽しいそうだ。「釣りなんて興味ないし、それに一人やもん!」という女王に
陛下:「釣りは楽しいよ~ナウルは入れ食い状態で釣れるからね~」
女王:「餌はどうするんですか?ミミズとか触れんし。」
陛下:「朝食のソーセージでいいよ。」
とりあえず、釣竿をスーツケースに忍ばせ、ナウルへ出発した。
目次
この記事内容は
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①そう、あのナウルとは?
それは太平洋州に浮かぶわずか21kmしかない島国。1周歩いても3時間ちょっと。
過去には鹿児島県から直行便があったらしいが、今はオーストラリアのブリスベンを経由して行く方法しかない。
国土面積も人口も世界で3番目に小さい。ちなみに国土面積が世界一小さい国はバチカン市国、その次はモナコ公国。
自国の通貨は存在しないため、オーストラリアドル。
ナウルは太平洋州ではかなり生活水準が高く(物価も高いが)医療費や教育費は全て無料。
国の財源は他国のナウル領域での漁業権とリン鉱石。リン鉱石においては世界一の国民所得を誇っていた時代もあった。
しかし、現在はそのリン鉱石が衰退。経済が破たんし、国の問題は深刻。
リン鉱石の恩恵を受け1世紀近く全年代に年金が支給されていたため、
「働いて給料を得る」という経験がない国民が多い。国民の労働意欲は極めて低い~という意見もあるようだ。
(これは我々から見た主観です)
珊瑚礁の島はとても美しいのだが、それとは相反する状況がこの島にはある。
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リン鉱石を採掘し尽した島の中央部は風化と浸食が進み、人が住める状態ではない。
主要な建物や施設は全て海岸沿いに建てられている。
②ナウルのリン鉱石について
それではできる限りナウルの魅力をお伝え出来ればと思う。
リンが主となる産業とのことで、島の内部にある国営のナウル・リン鉱石会社を視察。
リンとは何ぞや? ナウルは珊瑚礁の上にアホウドリなどの鳥が糞を落とし、積もりに積もってできた島。それが長い年月をかけて良質なリン鉱石に。リン鉱石は化学肥料の三大重要の一つ。その他、染料、食品などにも使われる。
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彼らの案内でリン鉱石の採掘場を見て回った。リン鉱石。ここはまだ比較的新しい採掘場。
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採掘でかなり掘り下げているのが分かる。この辺りは採掘し尽した場所。黒い岩は採掘によって隆起してきた石灰岩。
時間が経つと黒くなるらしい。
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こういうゴツゴツとした地形になる為、採掘後の土地は何も活用出来ない。
それでも少しでも緑を増やそうと、植林や栽培を試みている。リンで栄える前は自給自足で生活していた島民。
放っておいても勝手に育つ芋類など、食べられるものも植えたようだ。
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廃墟かと思いきや、現役で稼働しているリンの工場。
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確かに煙突からは煙が出ている。今の段階で第一次採掘はほとんど終了、調査で今後50年は安定であろう
リンの埋蔵量があることが分かり、会社の人達は一安心といったところ。会社の人の話を聞きながら、
この先、深部まで採掘し尽くしてしまったら経済はもちろんだが、誰かがうまい例えをしていた
「採掘後は猿の惑星のような状況」で、たった21㎢しかないこの島の地形はどうなるのだろう?
そんな事を考えながら、採掘場を後にした。まあ、そんな危機感もないのがこの国の特徴だが・・・。
③ナウルの観光スポット☆
こちらは、ナウルとは思えないほどの綺麗な池「ブアダ・ラグーン」
ミルクフィッシュ(サバヒー)という、体がミルクのように白い色をした魚を養殖していた。
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ここはナウルで一番高い場所。遠くに海が見える。高いと言っても標高100Mもない。
日本は第二次世界大戦中にここナウルも占領していた時代があったので、島の至るところに旧日本軍の戦跡があった。
このような小高い丘はリン鉱石の採掘で出た砂を積み上げて出来たもの。
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ここは日本軍占領時代の刑務所。この場所だけはどうしてもまともに撮影できなかった。
何回撮っても靄がかかり色合いがおかしくなるのだ。
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民家の敷地には地下道が。医療器具や薬剤が見つかったことから、病院だったのではないかと言われている。
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戦闘機の残骸も放置されたまま残る。
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これは「ピナクル」という隆起石灰。西オーストラリアのパースにもあるが、沿岸地域で見られる光景。
ピナクルはいくつもの貝が積み重なった石灰の土台。ピナクルに植物が根を張り成長。
やがて植物は枯れ、風と共に表面はどんどん風化されるが、根と根の間には固まった石灰が残っているため、
風化されるうちに塔のように隆起するそうだ。
海は綺麗なのだが、そういった岩がゴツゴツしていて泳げない。透明度はかなり高いのだが、残念。
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上空からは砂浜に囲まれた島に見えたが、実際はこんな感じ。これじゃ、ビーチリゾートとしての開発も難しいかもしれない。
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ナウルの国鳥「フリーゲートバード(軍艦鳥)」の餌付けを見ることが出来た。大会用に捕まえて飼育しているらしい。
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女王も餌付け体験をさせてもらった。投げる技術に問題があったにも関わらず、鳥たちはうまくキャッチしてくれた。
気軽に大統領官邸に行ったりww
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毎週土曜日に開催されるマーケットに行ったり
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ホテルから徒歩15分位のインドカレー屋さんでランチしたり
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日本が支援したソーラーシステムの浄水装置付きの貯水タンクを見たり
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車で1周19kmの旅を楽しんだり・・・色んなことを目一杯やったつもりでも、まだ丸2日残っている。
もうする仕事もない。でも、ホテルの部屋で寝て過ごすのは嫌だ。それならすることは残り一つ。
秘密兵器こっそりスーツケースに忍ばせてきた釣り道具を使う時が来てしまった。
④ナウルで初めての釣り体験!
滞在4日目の朝、朝食のソーセージを堂々と大量に確保。
ここまで来ると、ホテルレストランの人達ともかなり仲良くなっていたので、別に隠す必要もない。
女王:「今日は釣りに行くから、これは餌にするの~」
レストランスタッフ:「あら~いいわね。釣って来たら夕飯のおかずにしてあげるわ!」
という感じ(笑) 南国のこういう大らかさが好きだ。
陛下に聞いた釣りスポットへはホテルから歩いて5分。
やった!先客(現地人)がいる。
釣り竿は買っては来たものの、釣りの仕方は知らない。使い方も分からない。ウィンナーと引き換えに、
先客のおじちゃんが良い人で色々と手取り足取り教えてくれた。
たまにおじちゃんはホテルから持ってきたウィンナーを食べるが、まあいい。
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透明度が高いので、水面下にうじゃうじゃ泳いでいるのが見える。ど素人でも、竿を下せばすぐに釣れる!証拠写真。
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サヨリに似ているが、さかなちゃんに聞いたところダツという魚らしい
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魚の名前は分からないが、色々釣れた。大漁に連れたが、ほとんどをそのおじちゃんにあげて、
10匹ほどホテルへ持って帰った。もちろん、クーラーバッグなどないので、スーパーのレジ袋に入れて・・・。
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ホテルレストランは台湾人一家が経営を任されていたので、中華風にアレンジ。小骨が多く食べにくかったが、味は美味しく良い思い出となった。
⑤最大の思い出「大統領と対談!?」
帰国日の前夜、夕食を食べようと、いつものようにホテルのレストランへ行くと様子が違う!
レストランのお母さんに聞くと
「大統領のお身内の方がお誕生日だから、誕生日会があるのよ」
それなら、見かけ倒しの女王がいてはいけないと、食事を遠慮したら、「気にしなくていい」と言うではないか。
一国の大統領と同じ空間で同じ時間を共にする機会は今後の人生でも二度とない!!と思い、
ドキドキしながら隅っこの席で大統領を待つ。
アジア顔した私をご覧になった大統領がにっこり微笑んで下さる!こんな機会絶対にないから、
ミーハー根性丸出しでタイミングを見計らって話しかけてみた。
以下、会話の内容。
女王:「あの大変失礼ですが・・・」
大統領:「おお!!あなたは日本人ですか?」
女王:「は、はい!何故お分かりになったのですか?」
大統領:「実は太平洋・島サミットで沖縄に行ったことがあるのですよ。その当時の野田首相ともお話ししました。
日本の美しさや文化の素晴らしさに感動しました。また行きたいですね!」
女王:「是非またいらして下さい。お話し下さってありがとうございます。」
お付の人の制止が入った為、ほんの僅かな時間だったが、どこの馬の骨とも分からない日本人に気さくに話して下さる大統領に感動!会話の様子をそのお付きの女性が写真に撮っていたので、デジカメの小さな画面を撮影させてもらう。写りは悪いが証拠写真!!!
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もっとまともな格好をしていれば良かったと、後で後悔。
⑥「世界で3番目に小さい国で飽きずに6日間過ごす方法」
6日間のナウル滞在。
何もない島で最初はどうなることかと思ったが、思った以上に充実したものになった。ナ
ウルのことをより深く知るのに良い機会にもなった。
ナウルには経済回復の為にインターネットによく取り上げられている近年の奇策として
「難民の受け入れ」がある。難民を受け入れる代わりに、オーストラリアから金銭的支援を受けるというもの。
国際社会利益を狙って、オーストラリアは難民受け入れに手を挙げ、そしてここナウルに送るのだ。
中東からの難民がこの小さな太平洋の島国にやってくるとは信じられないが、事実。
南の島だからと言って難民の環境が良い訳ではない。収容所の敷地内からは一歩も出られず閉じ込められるのだ。
2016年に人権問題にもなった。難民トラブルも多発するため、警備員を多数配置している。
それは多少なりとも失業率90%の改善になったらしいが、そういう背景を知ると複雑な心境になる。
2017年、実際に「ナウルの難民問題」に触れるできごとがありました。よかったら記事をお読みください。
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採掘し尽したエリアを機上から見ながら、この国の未来を考えた。
そして、ナウル滞在で得たものがもうひとつ。
どんな場所でも、自分が探求心を高め、好奇心を持って見る目を変えれば意識が変わり、
行動が変わるということ。そしてその心が思いも寄らぬ出会い(出合い)を生むということ。
これが「世界で3番目に小さい国で飽きずに6日間過ごす方法」の答えなのかもしれない。
ナウルでの経験は今後の女王としての珍国人生に大きな刺激となった。
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いつもみずみずしく、鮮やかな考え方と行動をしていきたいものだ。