セレブが集まるカリブ海で一番美しい海【英領アンギラ】

 

カリブで一番美しい海=世界で一番美しい海と絶賛され、ハリウッドスターや

世界中のセレブがお忍びで訪れるという【英領アンギラ】

アンギラは島の形がウナギに似ていることから、スペイン語でウナギという意味。

人口は約15,000人。総面積は91平方キロメートル。

 

私が渡航した時は

成田→ダラス→プエルトリコ→アンティグア・バーブーダ→アンギラという壮大なルート。

カリブ海にはLIAT航空という飛行機が島と島をつないでいます。

 

 

この記事の目次は

1.カリブ海の歴史を少し

2.アンギラ島内観光

3.アンギラが「独立国」だったお話

 

シンプルな島だけに、目次もシンプルですがww

 


1.カリブ海の歴史を少し


カリブ海は約700の島で構成されているが、その内訳が複雑で

大アンティル諸島や小アンティル諸島、バハマ諸島などがある。

 

アンギラは小アンティル諸島(カリブ海島南部の島々)に属する。

ちなみに「アンティル」とは中世のヨーロッパにおいてカナリア諸島とアジアの間に

存在したとされる「空想の列島」という意味らしい。

コロンブスの一行が大航海時代にたどり着いた初のカリブ海の島をインドと勘違い

したため、西インド諸島と呼んでいるし、ヨーロッパ人のネーミングは現代もそのまま。

 

15世紀頃から始まったカリブ海におけるコロンブスを中心としたヨーロッパ人の侵略は

数々の悲しい歴史を残している。

それぞれの島で平和で幸せに暮らしていた先住民族たちは、侵略のためにやって来た

ヨーロッパ人たちに虐殺され、更には彼らから持ち込まれた疫病により、ほぼ絶滅に

追い込まれた。

 

当時のヨーロッパは自国の利益のみを追求するものであり、砂糖が莫大な経済の

柱となっていたため、各地でサトウキビの農地開拓が行われた。他にもバナナや綿花などの

栽培も進んだ。

しかしこの労働力はアフリカからの奴隷で過酷で悲惨で悲劇的な状況だった。

またカリブ海は南米大陸から金や銀などの貴金属を運ぶルートになっていたため、

海賊が人々を恐怖に陥れていた。

 

現在のカリブ海(西インド諸島)は一部の地域にしか純血の先住民族は残っておらず、

それぞれの島の住人のほとんどが先住民とヨーロッパ人の混血や、アフリカから来た人々の

子孫である。

国として独立した島もあるが、イギリス、スペイン、フランス、オランダ、

そしてアメリカの海外県や自治領などの島も数多くある。

 

少し前にパナマ白書でも話題になったように、英領のカリブ海の島々は

マネーローダリングの地として有名。

どの島も人口が1~3万人しかいない小さな島々だが、金融機関の数がやたらに多い島もある。

 

現地の観光案内本には「最短○日で法人設立可能!」「ここで会社設立すれば従業員不要」

などと書かれていることに驚く。

「小さな島で大きな受け皿」というキャッチコピーもあるそう。

カリブ海は確かに美しいが、金融面ではどれほど汚いことが渦巻く世界なのだろうかー

と考えると、そのギャップに不思議な感覚に陥る。

だって、地元に住む島民には全く関係のない世界の話のことなので。

 


2.アンギラ島内観光


さて、マネーローダリングの地、そして世界中のセレブが訪れるアンギラだが、、、

そんな代名詞にはふさわしくない中心地・・・かなり寂れている。

ちなみに島に信号は6つだけ。

タクシーのおじちゃんに観光のメインは?と聞いたら

「島に6機しかないを数えてまわること」

と教えてくれた。なので実行することに。

 

島内はいたってシンプル。高層ビルなんてない。

 

 

カリブ海で穏やかな時の流れを感じることは格別なものがある。

高台からの眺め。太陽の光加減で時間ごとに変わる海の色がとても美しい。

 

あ、信号探しは2時間程度で終わります。。。

 

セレブご用達だからと言って、決して高級レストランばかりではない。

美しい海をながめながら、カジュアルに楽しめるこじんまりしたレストランもある。

カリブ時間で料理が出て来るのに1時間半ほどかかるが、

カリブでよく食べられるコンク貝料理が美味しい。

特にトマトソース煮込みはおすすめ!写真なくて、すみません(;・∀・)

写真のコンク貝はアンギラのものではなく、タークス島のもの。

かなり大きい貝だ。ピンク色した貝殻はアクセサリーなど装飾品に加工されるので

価値は高い。

 

 

カリブ海の海はどこも同じように感じる人もいるかもしれないが、

アンギラは特に色々な海の色が楽しめるような気がする。

 

 

 


3.アンギラが「独立国」だったお話


そしてアンギラでは是非見たいものがあった。

それは切手。

1960年代頃、イギリスは植民地化したそれぞれの島を統治するのは手間がかかると

考え、点在する島々を無理にまとめて代表的な島に自治権を与えたのだが、

その時にアンギラはセントクリストファーネイビス島の管轄下に置かれた。

しかしアンギラはイギリスに支配されるならまだしも、同じような小島に自治権が

与えられ支配されることを極端に嫌い、猛反発。独立運動を開始し、

勝手に自治領から離れてしまった。

 

その時に発行されていた切手の上の部分の

「セントクリストファーネイビス アンギラ」

書かれた文字を消し、

「独立 アンギラ」の文字をプリントしたのだ。

 

独立を祝うかのように意気込んで発行された切手だったが・・・

この一連の独立騒動のオチが面白い。

 

セントクリストファー島はアンギラを取り戻したかったが、

軍隊もないし術もない。

そうこうしているうちにアンギラは国連に訴え続け、

1969年にアンギラ共和国として独立を宣言してしまう。

見るに見かねてやっとイギリス本国から「独立ゲリラの鎮圧」

として武装警官隊が島へ派遣したが、独立軍は抵抗するどころか

「待ってました!」と言わんばかりにイギリス国家を歌いながら大歓迎。

一発の銃も撃たれることなく、結局はイギリスの統治下に復帰。

その後、結局アンギラにも自治権が与えられ、今でもイギリスの自治領としてやっている。

 

「独立したかった」と言うより、イギリス統治下に戻りたかったのではないかと・・・。

 

アンギラに行く前

「絶対にこの切手を見たい!だって、観光スポットがないんだもの!

と思いさんざん調べまくったけど、

どんなに調べてもこの切手がどこにあるのか分からなかった。

 

しかし、なんと切手のことを聞いても知らないと言うタクシーのおじちゃんが、

「あっ友達のハウスに行こう!」と

連れて行ってくれたハウス(博物館)にあったのだ。

確かに上部を黒く塗りつぶし、

「Independent Anguilla」と書いてある。

 

そして館長さんはこの奇妙な独立運動に参加した張本人111

興奮せずにはいられなかった。

 

国旗に描かれている3匹のイルカの意味は

「持久力」「統一性」「強さ」この3つでイギリスの自治権を勝ち取ったのだ。

 

カリブ海の島々はイギリスの自治領であり、資金洗浄の地で本来は島民も

少しはその恩恵を受けてもいいのだろうが、そこはきっちりと区分けされている。

一般の島民にはマネーローダリングなんて全く関係ないし、逆にそういう事で

自分たちの美しい島が白い目で見られることは心外と考える人もいる。

 

特にアンギラはセレブが集まると聞いて、さぞかしリゾート感溢れる豪華な島かと

思っていたが、違った。

貧しさを感じることはないが、裕福さも感じることはなかった。

 

セレブがこの島を好むのは「人が少ないから」という理由らしい。

学校もほとんどの島が高校までしかなく、大学に行きたい人はイギリス領だから当然

イギリスに行くのかと思いきや、イギリスは高いからほとんどの人は行けないらしい。

近辺の大きな島で大学があるところか、プエルトリコやドミニカなどの大学に行くそうだ。

 

「自治領」という現実を見たのだが、それがカリブ海の人々の穏やかな暮らしを

保っているのだろう。

今の段階でも半独立状態だが(美味しいところはイギリス主体)、実際に独立した

ところで主たる産業はないし、観光客もそれほど来ない。

いつまでもこのままの状態で、カリブ海の島々がこの先のおかしな世の中の動向に

巻き込まれなければいいなと思った。

 

最後に、人生初セスナ機の副操縦席に座らせてもらった行先はアンギラ。

美しい海に洗浄してもらおうと考えていた弱気なメンタルは、このスリリングな経験でローダリングされた。

 

※この情報は2016年4月のものです。

 

※渡航につきましてはかならず外務省の案内をご確認ください。

新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置
及び入国に際しての条件・行動制限措置

 

またこちらのサイトより

新型コロナウイルス【北中米・カリブ】各国の入国制限に関する一覧

がご確認いただけます。

ただし民間機関の情報になりますので、渡航の際は必ず外務省や各国の大使館で

情報をご確認ください。

※当サイトでは一切の責任は負いません。

 

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